アリコレ館

アンジェリークのアリオス×コレットばかりかと

もうひとりのアリオス

やっと序盤から抜け出せそうなネオアンですが、子供が一日一時間だけのプレイ時間を守るが如くでなかなか進みません。

このゲームの区切りがわからなくて、ゲームをしたい気持ちがあまりない最近ではPSPを立ち上げてちょこっとやってお終いにしている感じです。

決して嫌いだとか苦手だとかそういうものではないけれど、今はなんだかかったるい気分なだけで、いつでもできると思うと先延ばしぎみになっています。

 

で、レインをメインに攻めているのですが、レインの口調などが『親に愛されたアリオス』を思わせてならない。

まだ終わっていないのではっきりとはわからないけれど、レインは親兄弟に恵まれた立場でなくてもレヴィアスのように疎まれていた(腫れ物に触るような)育て方をされたわけではない。

ので、通常の愛情を与えたアリオスのように思う。

アンジェとのやりとりも同世代ということもあって一番自然だし、わかりやすい恋だ。

レヴィアスが屈折した性格をしていなければ、エリスの「世界を回しても私はあなたの味方」というような重たい愛情を与える少女でなくても、こんな風に誰もが一度は経験する甘酸っぱい恋愛をしていたんじゃないかな、と思わせる。

 

そこで、アリコレ脳である私には「レインはアリオスとコレットが愛情を与えた結果=息子」な法則が生まれてしまった(笑)。

レインは間違いなくアリオスの気質が受け継がれているわけだから、遺伝的にもしっくりくるし。

服のセンスなんかも似ているし、なにより顔が似てるんだよね!

 

だから、魔恋が「他の女に手を出していないか浮気調査」だったのに、ネオアンをプレイしていると「アリオスとコレットの子供の恋愛事情」を覗き見している気分になってます。

「あんなに小さかったレイン君も、今は彼女がいるんだって!」と井戸端会議している近所のおばちゃん(笑)。

 

ひとつ不満があるなら、レインの設定が詰め込み過ぎなこと。

なにかの天才というのはいいけれど、オーブハンターとしての才覚があるだけでいいんじゃないの?

研究によって得られたものだとしても、自分が博士でなくてもいいはずだし。

ただ、他のキャラが人生において深刻な悩みを持っている設定だから、そうするとレインだけが浮いてしまうから色々付属をつけたんだろうとは思うけれど、今のところ余分にしか思えない。

ネオアンはじめました

魔導の護り石のくだりがアリコレを彷彿させると聞き、ずっと手を出さなかったネオアンをプレイ中。

まだまだ序盤なんですが、アンジェリークの世界観を引き継ぐという意味では、まさにアンジェリークの続編という感じ。

アルカディアのことを「遠い場所からきた女王が創った」というのが示されていて、理想郷の名付け親はリモージュだけど、育てたのはコレットなのでどちらでも読めるようにしてあるのはさすがです。

けれど、攻略対象が違うし、やはり独特の感覚もあるから、いい意味でアンジェとはシリーズが別物だとも思う。

 

そんなアンジェとネオアンの大きな違いは、ヒロインの置かれている立場だと思った。

まず、アンジェリークは大前提として「女王候補時代に守護聖に選ばれる立場だった」というのがあり、基本的に攻略対象(男)>ヒロインの関係。

同じ立場のネオアンは平等に思えど、希少価値という点で攻略対象(男)<ヒロインになるため、女性上位の関係。

どちらも女王がトップであるから女性上位の世界であることは間違いないのだけど、アンジェリークはたとえヒロインが女王であったとしても、コレットは目下の存在だった。だから、彼女はヒロインであったときはアリオスを除きみな敬語を使っている。

 

昔読んだレヴューで「ネオアンはヒロインをちやほやする」とあったが、アンジェリークをプレイしたことあるなら、それは確かに感じる。

ただ、アンジェと違って男性陣がみな守護聖のような立場でないのだから、ヒロインに対して(年齢はともかく)目下に見るのも変なので、これは仕方ないのかもしれない。

最初、ライバルがいないからこんな感じになったのかな?と思ったけれど、エトワのエンジュも目下扱いであったから、ライバル云々ではなくて、やはり「女王の卵」として大事にされるという価値観の相違からきたものだと思った。

 

あまり個性がないと言われるアンジェリークのヒロインで、ネオアンのヒロインは「美少女(とは名言されていないがそのような雰囲気がある)で優等生」な感じは他のヒロインとの差別化が出来ていいと思う。

リモージュコレットは散々「平凡な少女」であったから、エンジュが「元気な田舎娘」となったと思うし、それに対して「優等生美少女、だけど孤児」というのはよい感じ。

ネオロマシリーズに限らず乙女ゲーにはヒロインのファンというのが少なからずいるが、ネオアンのアンジェが人気あるのは理解できる。

 

魔導の護り石は二週目以降でないと登場しないので、まだまだ先が長いのですが、少し前にしたのがテキストゲーの魔恋だったもので、読み飛ばしで先送りするということができないから、地道にやってみたいと思います。

何気に幸福度を上げるのが楽しい。

コレットが育てた宇宙だと思うと愛おしくて(笑)。

魔恋 クロニクルモード(ネタバレあり)

魔恋で一番感動すると言われていたクロニクルモードを終了。

確かに、本筋の別視点という点でも、隠された過去を垣間見るという点においても、重要事項が含まれ、それによってこのキャラクターはこんな動機で行動していたのかとわかるから感動する。

特に、生まれながらにして不幸を背負って立つ男マイレアス。

レヴィアスの不幸体質は紛れもなく父親からの遺伝である。

 

彼が反乱そのものに賛成というよりも、己の不甲斐なさによって不幸にしてしまった息子を皇位につけたかった。

これは納得するし、自分で選んで息子に殺されるあたりは感動する。

ですがね、マイレアスが凡庸になったのは、強い魔力を封じてしまった後遺症なんですが、なぜその封印が解けたかが謎。

いきなり「ピコン!!」レベルが上がった!みたいな感じで解けた。

それ以前に、父親である前皇帝が、なぜマイレアスの力を封じる必要があったのか。

これが第二皇子で皇太子の地位を脅かすというなら、まだ理解できる。

しかし、マイレアスは皇太子なのだ。

彼を脅かす存在はない。

(叔父など親族と皇位継承を争ったなどの記述はないから、本当に謎。)

優秀な皇子が立太子すらできないというのは割合あって、一条天皇は愛する定子皇后との第一皇子の立太子を断念している。

(これは定子が父を亡くし兄が流罪となって勢力を失い、道長の娘彰子中宮に屈したから。)

凡庸なトップでも政権が保てるのは、その政治機構の基盤が固まっていたら問題はない。

だから、マイレアスの魔力を封じるそもそもの理由がないのだ。

 

天レクと違って魔恋ではレヴィアスは廃皇子なんだけど、命を狙われていた理由が強い魔力を秘めているため、皇帝が危惧していたというもの。

でも、皇帝の守りは鉄壁であり、ひとりによって左右されるものではない。

トップに立てるべき人材によって(下から持ち上げる場合も多々ある)そこに不満分子が集まり、反乱を起こされるのを一番懸念すべき材料なんだけど、そこが描かれていない。

つまり、こうした人物が武力を持つことを一番に恐れ、その疑いがある時点で処罰されてもおかしくはないのだから、傭兵団なんてやってられない。

レヴィアスは皇族の身分こそ隠していたけれど、その動向は皇帝に筒抜けだったから、ちょっと変だよ…と思う。

 

本当に細かいけれど、マイレアスを王族というのだけど、皇族でしょう。

王侯貴族というように、王は爵位のひとつであり、恐らくは絶対王政専制君主制に近いような強い政権下であった皇族と王族は身分も権力も違っていたはず。

あまりにも政権というものに対して、書き方がおざなりすぎる。

 

ゲームはひとりが作り上げるものでないから、どうしてもシナリオの詳細が破綻するようなことが起きる。

でも、それを勢いで飛ばしてしまえるような、そういう魅力的なストーリーであればいいのであって、言葉尻を掴まえられるようになると、そこにはもう勢いがないってことなんだと思う。

 

マイレアスはかなり魅力的な人間に描かれていて、天レクの凡庸さが嘘みたいだった。

けれど、お膳立ての段階で「?」だから、感情移入があまりできなかった。

非常に惜しいな、と思う。

レヴィアス側は革命とか言ってるけど、特別なにかのために戦っているわけじゃなくて、居場所のない連中が一辺天下取ったるか!みたいな単なる権力争いを美談に仕上げようとするから、端々から綻びが出てしまったのでしょうか。

せっかく悲劇性を高めたいなら、ここはしっかり基礎を固めないと。

クロニクルモードを一言でいうなら、「たとえファンタジーだとしても、もちっと歴史の勉強しようぜ」ということでしょうか。

魔恋はじめました

そして、目的を果たしました。

プレイしているうちに、段々とレヴィアスが他の女に不貞を働いていないかどうかということに着目してしまい、本来のゲームの目的から遠くなりましたが(笑)。

 

取り敢えず、騎士団√とレヴィアス√を終了。

これが目的だから、ほぼ終わりって感じでしょうか。

プレイ中は気持ちが昂って、Twitterにアホみたいに書き込んでいた(ゲームが暇ってこともあるんだけど)が、冷静になってみると、一言でいうなら「私は違うな」のクラヴィスの名言が当てはまる。

というのも、私は「天レクの補完」という意味でプレイしたので、魔恋は天レクの補完には相当しないという結論に至った。

レビューで「これはこれで面白いけれど、天レクとは別物」というのを読んではいたのだが、実際にプレイしてようやく理解できた。

 

誤解を招くような書き方になっているが、キャラクターは決して悪くない。

さすがに乙女ゲーなだけあって、十二分に魅力的なキャラとなっている。

逆にそうなってしまったがゆえに、天レクの泥臭さや性格破綻集団のクレイジーさを失ってしまっている。

天レクという舞台設定が、悪だから倒すというよりも、宇宙を侵略しようなんて考える狂っている連中を打倒するために立ち上がったのだから、そういう意味で天レクの補完にならないのです。

 

あと、一番自分とは異なったのはその世界観にリアリティさがないこと。

戦に次ぐ戦というのが、悲劇的であり、苦しい世界なのに、なぜかお茶会シーンが目立つ。

傭兵団なら資金繰りに苦しいはずなのに、そういう側面がまったく見えてこない。

この世界は皇帝に搾取されて民は苦しいと謳っているのに、一番末端の人間がそれを感じとれるはずなのに、そういう描写が皆無に等しい。

(冒頭部分でテレサの境遇は食うに困るほどでないにしても、余裕はないのがわかるけれど、これくらいか。)

私なら、いつもお菓子を作るけれどこの場所ではバターが高騰してとても買う余裕がなくて、それでもみんなに頑張ってほしいからなんとかかき集めて。

いつもよりおいしくないけれど、それでもみんな苦しい台所事情がわかっているから「おいしいね」って言ってくれるみたいなエピソードを入れるな。

擦り切れて摩耗した衣服を繕うけれど、当て布にすら困るとか。

 

アンジェリークのよいところは、雲の上の人なのに、根底にあるのがリアリティな現実感というところだと思っている。

私は守護聖の家族のエピソードが好きなのだけど、幼いジュリアスがまだ守護聖になるなんてわからないときに、いつもはそんなことをしない母親がバルコニーで上着をかけてくれたとか、ケーキなんて甘いものが嫌いなゼフェルが、聖地に召し上げられる前に食べたケーキは不思議とおいしかったとか。

そんな現実感が魔恋にはあまり感じられなかった。

むろん、メインの個別√をしてないからかもしれないが、設定自体がおざなりになっているように思える。

 

テレサもいい子なんだよ。

ただ、騎士団の下っ端連中が団長を様付けしているのに、彼女だけため口なのは「???」になる。

ユージィンですら、キーファーやカインに丁寧語なのに、テレサはため口っておかしくない?

キーファーの彼女を呼ぶ名が「娘」であるのは、明らかに見下しているのに、ため口。

こういう設定が変だと思うし、すごく気になる。

貧富の差、身分さが大きいと設定された世界で、これはないよ~。

大元のアンジェリークが基本様付けの世界なのに。

 

キャラクターを重視した結果、そういう細かい世界観がおざなりになった印象でした。

天レクに沿う形を望んでいたら、これはダメってことになると思うし、キャラクターにハマれば惜しいという感じになると思う。

設定だけで見えてくるもの

「それが美男だと、同じ性関係でも、女が男に惚れての性関係という図式がごくしぜんに成立する」(『美男の立身、ブ男の逆襲 大塚ひかり著)

 

というのが、私の中のアリオスとコレットの間にある『エリス』という存在。

アリコレは『エリスを生き返られる技術がある』且つ『そのエリスの器にコレットが相当できる』という条件を満たしている。

だから、エリスに似ているからコレットノスタルジアを感じているのではなくて、アリオスはどうしてもコレットの動向から目が離せない。

 

恐らく本来ならお子様すぎて彼の好みのタイプでなかったコレットの価値が、これでグググと高くなり、そこから恋愛に発展するのがごく自然に成り立つのだ。

亡き人に似てるだけだと、かえって拒否反応を示す場合も多いが、コレットの身体がエリスの蘇生に必要とあれば、そりゃ一時でも目を離したくないだろう。

これは実にうまい設定だと思う。

女王試験のときと違って、宇宙の危機という緊迫した状況下で、アリオスの方がコレットに惚れる図式が成り立つから、自然に受け取れるんだと思う。

 

前にも書きましたが、私にとってレヴィアスがエリスを愛していたということは過去に相当して、「ジュリアスが大貴族出身」「ロザリアは女王になるべくして育てられた」という設定と同じ受け止め方なので、特にどうこう思うことはないのです。

ズートピアにおけるアリコレ

Twitterズートピアでアリコレ!アリコレ!と叫んでいたわけですが、友達に言ったら「色んな楽しみ方があっていいね」という同情をくれました(笑)。

 

信じてほしくても周囲から信じてもらえないから、信じないと心に決めた男。

それは、奪われたなら奪い返せ。手に入らないなら無理矢理でも入れる。それまではどんな苦難にも負けないと誓った男と似ている。

人生を諦めつつ、でも本当に欲していたものはそれじゃない。

ニックがジュディにふれられるのを恐れている様が、コレットにふれられるのを恐れているアリオスにダブるんだよね。

あと、泣きながら謝るジュディを宥めるニックが天レクのアリオスだよな、と。

抱きしめることも愛してるとも告げないふたりが、天レクのアリコレにすごく相似していて、見ていて胸が苦しくなる。

 

「俺のこと好きなんだろう?」のニックの言葉が、トロワのアリオスちっくでさ。

揶揄しながらも本音が含まれて、でも、本気で言うのは怖くて。

軽口の中に本音があるのが、アリオスだから、それを彷彿させるんだ。

 

むしろ、ジュディはコレットに似てない。

一生懸命なのは一緒かもしれないけれど、「優秀なら一日100件違反を取り締まれ」という言葉に対して「それなら200件やる!」と言って、本当にやり遂げてしまうジュディのバイタリティはコレットにない。

それでも前向きに進みながら、傷つき、空回りしても互いから離れられないというふたりがアリオスとコレットに見えてしまうのです。

 

今日もズートピアはエンドレス?

しばらくしたら飽きるんだろうけど、見たくなったらレンタルじゃなくて購入しようと思います。

『いいひと』にならなくて良かった

実は『いいひと』でした、というのが嫌です。

だから、トロワで復活したアリオスがいいひとにならなくて良かったな、と思った。

でも、そうと考えたのは、割と最近。

昔はおそらくどっちでも良かったと思う。

けれど、やっぱり『いいひと』なアリオスなんてアリオスじゃない。

 

クーデターを起こした原因は完全なる私怨なのだが、争ったのは権力。

そこに民の希望とか願望なんてなかった。

玉座を臨んだ、ただそれだけ。

神鳥への侵略もその足掛かりだっただけ。

だからこそ、戦いに敗れた彼はその責任を取って自害した。

これが本当に責任を取ったということでなくても、レヴィアス(アリオス)の生き方による幕引きだった。

それを周囲からどうこう言われたくない。

だから、戦うことになったけれどコレットにすら謝らない。

当然、これはアリオスの論理であり、特に神鳥側としたら「は?」みたいなことなんだけど、互いが理解できるのが理想であるけれど、実際はそうじゃない。

 

けど、それでいいんだと思う。

もし、この侵略に対して謝罪したらアリオスじゃないし、そもそも謝るくらいなら物事を起こさない男だ。

そういうひとなので、彼は周囲から一歩引いている(自分がしでかしたことの重さを知っているから馴れ合わない)というのも、合点がいく。

 

だから『いいひと』でした、でまとめると落ち着くのかもしれないけれど、キャラクターアイデンティティが崩れるから、嫌なんです。

嫌われても、理解されなくてもいい。

我は我が道を行く。

それでいいと思う。