あなたを選ぶということ
天レクのアリオスEDのコレットの最後の台詞は、「私はあなたを、あなただけを選ぶわ!」です。
宇宙の女王である彼女がすべてを投げ打って、裏切った相手の手を取る。
アンジェリークのEDの中で、これ以上にない”裏切り”であり、他にはない激しい愛情を感じさせるものだった。
でも、あなたを選ぶって具体的にはどういうことか、と疑問に思ってしまった。
一緒に逃げようってこと?
一緒に償うから?
とにかく、コレットとしてはアリオスに幸せになってほしくて、彼の死を回避する未来がほしかったということなのだろう。
しかし、私はずっと昔から、コレットがエリスの器になろうしていたと解釈している。
つまり、彼が最も求めたエリスに成り代わる。
そうなったら最早自分自身ではないのだけど、肉体だけでもアリオスの隣りにいたかった。
エリスへ肉体を明け渡した後は、ふたりでどこか遠くへ行く…、そう願っていたんじゃないかな、と。
それはもちろん、アリオスのことだけでなくて、コレット自身の自己満足も含んでのこと。
つまり、本当の意味で愛されていなかった(と思っている)彼女は、肉体だけでも本当に愛してほしかった結果のように思えて。
隣りにいるだけでも満足だったけれど、敵対してはそれすら叶うはずもなく。
それなら自分でなくてもいいから、彼はエリスを望んでいるのだから、とエリスになることを了承したように思えてしまうのだ。
当然、それはアリオスに拒否された。
あのとき、よかれと思ったことが、かえって彼を追い詰めたことに、コレットは悄然としたんだよね、きっと。