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アリコレ館

アンジェリークのアリオス×コレットばかりかと

トラウマを持つ男たち

アンジェリークの中にはガッツリとトラウマという沼にハマっているキャラがいくらかいる。

それを救いたいというのが、一種の恋愛感情になるから不思議だよね(笑)。

 

まず、一番目はクラヴィス

この人は255代目女王との悲恋が思い出されるけれど、私は母親との別離がきっかけだと思っている。

ちょっと話がそれるけれど、クラヴィスとジュリアスは幼児期に守護聖になっているから、とても似ている環境下にあったはずなのに、似て非なる存在になる。

ジュリアスは聖地に召されるまで約1年の月日がある。つまり、物事ついたときには、「あなたは守護聖となる人よ」と言われて育つ。

対して、クラヴィスは突如として聖地へ連行されたわけだから、17歳のゼフェルだって反発してたくらいなのに、それを6歳の、今でいえば幼稚園年長程度の年齢で強制されたわけで、それが暗く影を落とすのは当たり前でしょう。

更に、クラヴィスは水晶球によって下界の様子が見えてしまうから、「ある日突然母親の姿が見えなくなった=母の死」という残酷な現実を知ってしまう。

唯一愛し、愛された肉親の死が彼を厭世的にしたのは、ごく自然の成り行きだと思う。

その後、やっと開けてきた未来、それは255代目女王(候補当時)との恋愛だったが、守護聖であることで破れてしまう。

総合すると、「守護聖である」ということが、クラヴィスの願うものを悉く喪失させているんだよね。

だから、いくらジュリアスが怠慢だと怒っても、守護聖でない自分にはなれない限りは、そうならざるおえないのかな、と。

 

次は、ヴィクトール。

この人の場合、女王試験がきっかけでトラウマを克服するんだけど、精神の教官ということもあり、女王試験がなかったとしても、遅かれ早かれトラウマを克服しそうな気がする。

というのも、彼がとある任務で部下全員を失ったショックの上に、生き残った自分だけ「悲劇の英雄」扱いされることに納得してなかった。

だから、将軍職を任命されても受け入れられなかったんだよね。

でも、女王試験の中で、自分が生きている意味、若くして散ってしまった部下たちを思えば、今後どうしたらいいのか、それを考え、行動する力を持つ。

だから、女王試験はあくまできっかけで、彼は元から克服する力を持っていて、その時期が女王試験で早まっただけのように思えてならない。

SP2にて「トラウマ持ち」として登場したけれど、冷静に考えると個人的な闇はクラヴィスの方が深いと思う。

 

その次は、アリオス。

この人の場合は、精神的にはとてもクラヴィスに似ていると思う。

でも、アンジェリークのキャラの中で、唯一違うのが「肉親(身内)に愛された記憶がない」ということ。

これってすごく大きい。

逆に言うと、クラヴィスが母親に固執したのは、小さな子供の世界には肉親しかいないということも含めて、母から多大なる愛情を受け取っていたからでしょう。

彼の場合それがなくて、さらに命まで狙われいて、でも、皇族という身分から逃れられず、やっとの思いで掴んだ幸せは、エリスの死というもので脆くも崩れてしまう。

ここからが、この人とクラヴィスの違うところなんだけど、思考は後ろ向きなのに、行動は邁進する力があるんだよな。

きっかけはエリスの死であるのは間違いなくても、その前からあった鬱憤をクーデターで晴らそうとしているあたり、その行動力をもっと違ったものに生かせたら…と思わざるおえない(笑)。

 

最期は、フランシス。

私はどうしてもこの人は、京極夏彦の「狂骨の夢」に登場する降旗さんと被ってしまうんだよね。

降旗さんも精神科医で、幼少期から見る夢がトラウマで、それを解決しようと心理学の道にすすむんだけど、かえって自分を混乱させて、見なくてもいい自分まで見て、自己を見失ってしまう。

結果としてトラウマの夢は解決するんだけど、それはトラウマ克服にはならないの。

理由がわかったところで、それが自分にとってなんの解決にもならない。

だから、フランシスも「自分のせいで父親が死んでしまった」というトラウマがあったとしても、その理由がはっきりしていても、解決していない。

ゲームをしていないから、書籍やドラマCDでしかわからないけれど、どうしても「トラウマを克服して明るくなった」感じはない。

(エトワールEDではかなり前向きになってるっぽいけれど。)

むしろ、この人はトラウマがきっかけかもしれないけれど、後ろ向きというよりも、他人に絶対入れないテリトリーの中で自分を飼っていることが、一番快適なんじゃないのかな?

女性にやさしいのに、根本的に女性のことを信じていない。

そんな彼は自分という殻の中で、ひたすら自分を守るような生き方が、らしいと思ってしまうんだけど。