トラウマにならなかった人たち
クラヴィス、ヴィクトール、アリオス、フランシスはトラウマというコードを持たされているんだけど、逆に同じような不遇の過去を持ちながら、トラウマにならなかった人もいる。
克服ではなくて、ならない。
これって結構すごいこと。
まず、ランディ。
彼の母親は貴族の父親の家に認めてもらえず、追い出される形で家を出て、しばらく貧しい母子家庭だった。
その後、やはりランディ母子を忘れられなかった父親が合流し、これから家族団らんってときに、守護聖になる。
そういう割合暗い過去を持っていても、彼にその影はない。
守護聖になったことで、(名誉だからと)母親が父の家に認められたのはうれしかったと素直に認めるあたり、彼の性格の良さがわかる。
根底に、ランディは母親に愛されていたし、父親も彼らを捨てたのではなく、愛している証拠にすべてを捨てて親子で一緒になるから、「親に愛されない・捨てられた」という最大のトラウマを回避できたことも大きいだろう。
両親が大恋愛なタイプなのに、堅実な感じがするのもランディらしい。
トラウマがどの程度かによって違うけれど、ゼフェルもトラウマとは思えないんだよね。
もちろん、聖地の不条理に反発することはあれど、不器用なのも、言葉が悪いのも、彼の素地だったと思うから、トラウマによって大人しい子→厭世的な性格になったクラヴィスや、ひねくれ者→冷酷な性格になったアリオスとも違う。
ゼフェルもまた、親や友達から愛され、それを取り上げられたことに対して憤慨しているので、トラウマとは違うのかな。
レオナードもトラウマという感じがしない。
孤児院育ちというだけで、トラウマになってもおかしくないのだけど、彼は彼なりに荒れた町も愛していたし、それを受け入れる度量があった。
唯一の肉親と別れたユーイとか、孤児だったセイランとか、トラウマになりそうな過去を持ちながら、そうならなかった人ってアンジェリークでは意外と多い。
遙か2のように「恋愛ではなくカウンセリング」みたいに、本人はまったく悪くない人もいるのだが、どうしても恋愛がカウンセリング要素を含むことが多くなってきたから、そういうのじゃなくて、段々に仲良くなって恋をする過程も好き。
その方がごく自然なんだけど、劇的な演出をするなら、どうしても暗い過去とか、試練とかそういう方向になってしまうんだろうな。
アリオス×コレットが一番劇的なCPなんで、それを私が言うのも変なんだけどね(笑)。