大団円の行方
ゲド戦記を見て『酷評されてもやむを得ない』と素直に思う。
あからさまではないにしろ、最後まで話が落ちてない。
根本的な原因もわからず、解決もしないまま、なんとなくの大団円。
ああ、これの流れって恋する天使アンジェリークじゃん、と思った。
恋アンもそうなんだけど、ゲド戦記もまた普遍的な闇と光の闘いみたいなテーマがあって、それが手垢がつくどほど陳腐なものだからなし崩し的に終わっても「なんとなくわかった感」はあるのよ。
既視感というのかな。どこにでも転がっているようなテーマなので。
しかし、逆説的にいえば、普遍的なテーマであるからこそその真理は難しい。
書けば書く程「どこかで見た感じ」が抜け出せない。
だから、ラストを意外な展開にすると、そこに伏線がなければただの急展開。
恋アンは中学生くらいの子がはじめて書いた小説でラストにどんでん返ししたくて、いきなりやらかすからラストだけ浮いちゃうような感じ。
話が生きてくるのは設定や描写もあるけれど、伏線を上手に生かせるか、というのも大きな要因。
そこがきちんと構築できていないと「?」となる。
アンジェリークは外伝も含めて割と「人間の負の感情」をテーマにしているから、普遍的であり陳腐でもあるんだけど、特に外伝はしっかり描かれているからおもしろく聞ける。
確かにどこかで見たようなテーマだから、オチとしてもそう意外性はない。
けれど、それをアンジェリークのキャラが演じていることで世界観をしっかり築くことができている。
テレビアニメは2期合計26話もあっても、結局のところなにが描きたかったのか、私にはわからなかった。
サクリアの精霊は敵じゃないって、しかし奴らは何度も「人間コロス!」って息巻いていたじゃないか。
それは敵じゃないの?
この辺アニメスタッフも悪いけれど、エトワールでのサクリアの精霊の定義もわりかしあやふやな部分があるから仕方ないようにも思える。
私が全体的に話の流れを作るなら
①本来なら守護聖が誕生するまではゆっくりしたペースでの育成なのに聖獣の宇宙は育成がうまく行き過ぎて、突如サクリアのバランスを崩す(女王だけでは賄えなくなる)→女王以下聖地を凍結
②聖獣の宇宙の異常を察知した神鳥側がエトワールを招聘→エンジュ聖地へ召し出される
③当初はうまくいかぬ育成だったが、神鳥守護聖の協力を得て聖獣の宇宙は徐々に均衡を取り戻す→オムニバス形式で各キャラとの話を中心にする基本的に1期のメイン
④だが、サクリアを制御できる守護聖が誕生していないため、女王は復活できない→エンジュ、守護聖説得
⑤レオナード、フランシス、ユーイについては説得難航
⑥ヴィクトール、エルンスト、メルについては快諾→ただし、エルンストは途中でスランプ描写あり
⑦性格的な問題でセイラン、立場的な問題でティムカ、チャーリーは難航→前者はエンジュを試していた感じで、後者は心は聖地へ行きたいと思っているが…という感じに。
⑧とにかく守護聖を揃えることができ、サクリアの精霊は消滅→女王復活
という風にするのだが。
守護聖説得についてはひとり一話方式なのかと思いきやエルンストとメルなんて1期から出番が多少あってもメインに据えられることはなかったのだから、快諾して守護聖として活躍する方がいいんじゃない?
こういう話が書きたいのだが、まだまだ書く気力までが遠い…。