アリコレ館

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アブナイ★恋の捜査室

久し振りにゲームを購入しました。

『アブナイ★恋の捜査室』

元が携帯アプリとのことで、選択肢を選ぶだけの完全なるテキストゲーム。

PSP版は1stと2ndシーズンを収録していて、どちらも全員をクリアすると事件の真相にたどり着ける仕様になっている。

基本的に同僚4人→小野瀬→穂積(→2ndのみ藤守兄)で解決するので、同僚たちは各人の見方が違うだけでほぼ重要度は同じくらい。

真相に迫る小野瀬・穂積√がの方が重要度が高く、シナリオの面白味が強い。

藤守兄は隠しキャラ√というかおまけ√というか、これは別シナリオと捉えた方がいいかも。面白くても横のつながりはない。

恋愛面ではラブコメなので捜査室紅一点のハーレムで可愛がられているという二次元的設定で、軽く読めるテキストだからこれはこれでいいと思う。

それより、証拠品のエロ本を喜んでいるようなメンツの男子校のようなノリの方が読んでいて楽しかった。

 

恋愛描写は特に優れているとは思わなかったけれど(甘い雰囲気ではあるので、悪くはない)個人的にはキャラの描写の方が良かった。

キャラの造形は「オネエ口調だが暴君の上司」「ドSな分析官」など欠点も魅力的な二次元仕様なのだが、キャラクターを対比させることによって浮かび上がるような側面があったのが好きだった。

例えば、同期の小野瀬・穂積だが、物わかりのよい小野瀬は「自分は捨てたくせに新しく作った家族は大切にする母親も、息子がいるのに若い女を引き入れた父親も嫌い」と穂積に切って捨てられる。

小野瀬は家族のことは話さないと前に言っているので、ここで「穂積には心を許している」また「穂積は小野瀬のことを理解している」と同時に示されている。

また、小野瀬は完璧な男で誰から見ても憧れるスマートさを持っているのだが、藤守からすると「できる男は違うね」になるけれど、明智にしたら煙たい存在として描かれる。

恐らく、明智は嫉妬できる、つまり小野瀬に近いスペックがあるので嫉妬できる範疇にあることを示している。小野瀬に嫉妬するのは明智くらいなので、他キャラは肩を並べられないのだと思う。

ちなみに、穂積は小野瀬に嫉妬することはない。多分、個人の方向性の違いだろう。

あと、藤守兄弟の描写だが、基本的にできる兄(残念なことが多いが)と面倒見の良い弟で構成されていて、それほど意外性はない。

けれど、個人的にこれは!と思ったのが、豪華版の特典CDの一コマで、帰郷する際母親から電話があって深夜に着くから夕飯はいらんという弟に対し、兄は食べるという。

しかも、カレーと刺身(笑)。

しかし、その理由が「多分、刺身は夕方には買ってある」というもの。

弟は深夜に帰宅するから手間かけたら悪いと思って夕飯はいらんという返答になるんだけど、兄は母は息子の帰りを楽しみにしてカレーを作り、よい刺身があったから買っている。だから食べるという選択をするんだよね。この辺の心理描写は見事だと思った。

 

このゲームを購入した決めてが藤守兄の声が成田さんだったからなんですが、この役が残念なイケメンだったので「レヴィアスのパラレルっぽいかも」と思ったというかなり不純な動機(笑)。

結果として、あまりレヴィアスっぽくはなかったのですが、コメディリリーフとしての役割も面白くてよかった。

ハイスペックを誇る検察官だけど実はオタクで「女に告られるけどすぐ振られる」という残念系なんだけど、難をいうなら、あと少しハイスペックな男の面が見られたら良かったな。お洒落なレストランに誘ったり、高そうなシャンパンを呑ませてくれたり、コートをかけてくれたりしてはいるんだけどね。

 

恋愛ゲームって学園ものやアイドルものが多いから、案外社会人ものって少ない気がするのだが、個人的には前者に食指が動かないので、こういうタイプが好き。

Backlushもそうだったけど、ヒロイン社会人で攻略キャラの人間関係が緻密に描かれるようなゲームをもっとしてみたいかも。

残念ながら、アブ恋の3rdシーズンはVitaでのみ発売されていて、シナリオの内容はそう悪くないみたいだが、なんせ3rdシーズンのみ収録で短いみたい。

それに藤守兄は攻略対象外となり、出番もほとんどないみたい。特典CDにも出てないもんね。ホントに残念。

 

尚、さすがに数年前に発売されたものだし、小さくまとまっているタイプのゲームなので、二次創作はほとんどなかった。

これも残念でした。