アリコレ館

アンジェリークのアリオス×コレットばかりかと

母恋し

先日、三国志展に行ってきました。

学生時代に三国志にハマってからずいぶんと時間が経過し、結構忘れていることが多いと実感。

夢中になっていた頃はどんなものにも目を通していたのに、あの曹操の墓が見つかったのを知ったのは少し前というテイタラク…。

(自己弁護すれば発見された年は子供の出産時期と重なるので、私は私で懸命に生きていたときだった。)

学生時代の夢は「曹操の墓を探したい!でも盗掘に遭っているから発見されるのは絶望的だろうなぁ」だった。

しかし、今回ちゃんと出土品が展示されていた。

当然幾度も盗掘され金品については盗まれていたもののバラバラになったとはいえ遺骨まで見つかっている!すごい!すごい!

曹植でさえお墓が見つかり、そぼくなアヒルの焼き物を見て「曹植らしい~」と思ってしまった。豆ガラ兄弟にはお似合いだと思ってしまって(笑)。

 

曹操の墓からは三人分の遺骨が出てきた。

推定60代の男性は曹操、50代の女性は卞氏だと思われる。

そして、そこにあるのが不自然なほど若い10代女性の遺骨。おそらくは、曹昂の生母である劉氏。

色んなことをしてきた曹操が「あの世で曹昂に『私の母上はどこにいますか?』と聞かれたら答えられない」といったエピソードはあまりにも有名で、彼はそんな長子を思って劉氏を合葬したのかなって。

曹昂の養母である丁氏は離縁してしまっているからできなかったのだろうけど、丁氏はそれはそれは曹昂をかわいがっても、やはり生みの母の力は大きいのか。

 

で、前々から思っていた疑問が。

古代中国は今からは考えられないほど男尊女卑の思想。

女は戦利品で家畜やモノと同じように扱われるのが通例。

でもね、母親の重要性はかなり大きい。

孫策の母呉氏は彼にかなり影響を持っていて、孫策が迎え入れた部下に挨拶されているし、彼のことを窘めるために井戸に飛び込もうとしたエピソードもある。

曹叡は母甄氏を死に追いやったのは父の愛妃郭氏であったため、皇帝になってもなかなか手を出せなかったがついに彼女を自害に追い込むOR殺害することができた。

(ここはかなりぼかして書いてあるので詳細は不明。しかし曹叡が郭氏の死に関わっているのは事実だろう。)

もちろん、父親一番の世界ではあるが、母親を重要視する面は少なくはない。

自分の価値を高めるつもりかもしれないが、それにしても単なる飾りではなくて「母恋し」の気持ちが伝わってくるんだよな。

母の仇をとった曹叡にしても、母親がされたことを自分の皇后にもしているから、「自分の母親は大事。それ以外の女はモノ」なのかもしれないが。