アリコレ館

アンジェリークのアリオス×コレットばかりかと

究極の愛

愛情と憎悪を共に含んだものは、究極の愛に近いものだと思う。

更に言うなら生(エロス)と死(タナトス)に揺れたものが最高峰だろう。

そう思うのが、アリオス(レヴィアス)の天レクEDだと思っている。

 

ちょっと脇道にそれて。

愛情の反対は憎悪ではない。

「愛の反対は憎しみではなく無関心」というのは、マザー・テレサの言葉だが、その通りだと思う。

憎悪では一般的でないから、嫉妬として薄めて言ってもいい。

「嫉妬は愛とともに生まれるが、愛と共に死なない」という言葉もあるくらい、ふたつは関連性が高い。

そもそも興味がなければ嫉妬も起こらないから。

 

で、レヴィアスの愛情と憎悪については、エリスにおける恋愛にはなかったものだ。

ヴィジュアルがほぼ変わらないし、元からスレている性格だから年相応に思えないが、レヴィアスとエリスとの恋愛は青春そのものだ。

「弱いあなたも知っている。それでも、世界を敵に回してもあなただけを選ぶ」というようなエリスの発言を丸ごと信じるあたり、彼がエリスをどれほど信頼し、また青臭い恋愛をしているかがよくわかる。

エリスの死は裏切りというよりも、なぜ、どうして、という疑問ばかりだっただろう。

 

そこで、コレット

なんにも疑わずに”アリオス”を信じ、裏切られても彼を信じ続けたコレットを彼は相当に苛立っただろう。

それに、彼が苦心して得た”王の器”を彼女は元から持っていたことについても、彼は嫉妬していた。

最終決戦最後まで、アリオスはコレットを殺す気持ちでいっぱいだったはず。

でも、その反面、彼女を護りたいという気持ちもまた本物だった。

自分が造った魔導生物から身を挺して護っていたのも、アリオスが本気でしたかった行動だと思う。

本音で言えば、彼女の手を取って、どこか知らぬところへ逃避したかった。

トロワの失恋EDの台詞がそれを物語っているしね。

元々はコレットがエリスの生き写しであったから執着していたんだろうけど、たぶん、彼女がエリスに似てなくても、時間がかかるにしても同じような経過を辿るかと。

だって、彼がこれほどにまで執着したのは、結局のところエリスの器としてのコレットではなく、彼女自身であり、その愛情の狭間で揺らいだことだから。

 

生と死の間で揺さぶられ続けたレヴィアスが、その執着地としてコレットの宇宙で生まれ変わる選択をしたのは考え深い。

「どうにもならないから自分のモノにしたい」と「相手を愛しているからこそ彼女の思うようにさせてあげたい」と思うことはある意味イコールだと思う。

そういう相反する面で揺れるからこそ、その恋愛の価値が高まるのかな、なんて。