第三者的な立場
今更ながらに思ったのは、エトワールで守護聖説得というイベントを盛り込んじゃいかん、と。
では、なぜそれを思ったかいうと、メッセージコレクションのゼフェルの台詞を見て、これは過去であったからいいんだ!と思ったのがきっかけ。
プレイヤー自身は聖地に残る聖天使EDかラブEDを想定しているとはいえ、エンジュの立場は一年でお役御免のエトワール。
なのに、家族や友人たちと分かれて聖地に来るように説得するって、キャラクターはもちろん、プレイヤーも納得しないでしょう。
それに反発してもできなかったからこそ、守護聖の悲哀があるわけで。
かつてその役目は、第三者的な立場であった聖地の職員たちだった。
だからこそ、我々からも「知らないくせに役目を押し付けて」という守護聖の立場にも感情移入できたんだと思う。
それをエンジュにさせると、やはり「お前は気楽な立場でいいよな」みたいな視点になってしまう。
それに、比べてしまうとたったひとりの肉親を置いてかなくてはならないユーイと、多少なりとも聖地や守護聖を知っている教官・協力者たちとは重みが違う。
エルンストが泣いて走り回ったのは人間らしいけれど、でも彼のキャラクターには合わないと思うし、そこをきちんと掘り下げれば深い話になっていたはずなのに、結局はほとんどネタと化している。
これはゲームでやるには相当練ったシナリオで、それ一本で仕上げるくらいの気合いがないと難しいと思う。
通り一遍では、単なる儀式に過ぎない。
むしろ、再三ドラマCDのネタだったわけだから、切り口を変えてドラマCDとして出した方がよかったかもしれない(話の視点を変えないと、ネタの繰り返しと言われる可能性もあるけれど)。
あと、決心して聖地に来た割に、女王や補佐官に素っ気ないよね。
聖獣の宇宙出身者なら女王の存在すらよく知られていなかったのだから理解できるけれど、教官・協力者たちは単に女王試験で出会っだだけじゃない。
天レク・トロワにて二度の宇宙の危機を救った仲間だ。
それなのに、来るのも渋るし、来ても素っ気ないってどういうこと?
こういうところに、コレットが蔑ろにされている、と言われる所以だろうなぁ。
別に、恋愛フラグを立てろ、とか言っているわけではない。
ヒロインが別にいるのにそんなことは邪魔なだけだし。
けれど、敬愛とか尊敬とか友愛とか、恋愛以外の感情があるはずだし、だからこそこの宇宙のために来たんじゃないの?と疑ってしまう。
トロワでゼフェルが守護聖になることがわかったときのケーキがやたらと大きくて、甘いものが嫌いな彼が、それだけは不思議とおいしかったって。
そして、聖地に行くとき、見えなくなるまで友達が追いかけてきたというエピソードが好きです。
タイムマシーンみたいに過去に戻って、がっつり当事者として関わらないなら、こんな後日に聞くエピソードの方が何倍も深みがあるように思えてならない。