アリコレ館

アンジェリークのアリオス×コレットばかりかと

重ねる意義

子供にアガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」を読み聞かせています。

児童書ですけど高学年向けなので多少描写が子供向けですけど、大人向けと大きく隔たりはないと思います。

この作品はある禁じ手をはじめてしたものであり、賛否両論あるもののクリスティーの代表作のひとつとされる。

その程度の知識と本を読む前にドラマを見ているので全体像はわかっていたのだが、読んでみると当初思っていた印象と少し違う。

というのも、犯人をある人物と重ねることで「清廉潔白」の印象を与えている。

ポアロは原作とDスーシェ版ドラマと内容はひどく大きな乖離はない。

最も違っている点は「ドラマ版は常に探偵助手はヘイスティングズ大尉」であろう。

原作は彼の結婚譚であるゴルフ場殺人事件の後に南米へ行き、ポアロ最後の殺人事件となるカーテンでイギリスに戻ってくる設定だが、ドラマでは変わらずにヘイスティングスが探偵助手を務めている。

シャーロックのワトソンよろしく決められた相手の方が視聴者にもわかりやすいだろう。

このヘイスティングスが「清廉潔白で曲がったことのできない古典的なイギリス紳士」と物語では繰り返し主張されている。

そして、アクロイド殺しの犯人もそのヘイスティングスと重ねるように描かれている。

さらにダメ出しのように「性格が気弱」「もっと押しなさい」だと繰り返す。

これを知らず知らず脳内に印象付け、役割上犯人として考えなかっただろうし、性格としてもひとのよい彼が殺人犯なわけがないと思わせる。

なかなかうまい設定だ。

特定のキャラクターを重ね合わせる意義を思い知らされたようだった。

 

アリオスの相手はコレットの印象が強いのはそこだろう。

彼の親密度イベントだけでなく共通イベントでもレヴィアスとエリスの会話はアリオスとコレットの会話と重ねあわされているから。

だから、他のキャラORカプが本命でもアリコレの印象が残っているんじゃないかな。

私は本命は▲▲なのにアリコレ好きなひとが意外と多くて不思議だったのだけど、強制イベントでもエリスの追憶があって、さらにコレットとの言動を重ね合わすなら、それはアリコレを脳内に刻み付ける作業なのかもしれない。