アリコレ館

アンジェリークのアリオス×コレットばかりかと

エンジュは誰に恋したか

恋する天使アンジェリーク(略して恋アン)の恋愛模様は未だに謎だらけ。

それをひところで示すなら「行き当たりばったり」な気もする(笑)。

おそらくはルビパの指示であったと思われる最後の結末はあなたの心の中で方式であるが、あのアニメだと絶対的に無理がある。

ほぼ接点のないオリヴィエあたりが来てもびっくり仰天するしかない。

 

エンジュに恋してると表明しているのは「ゼフェル」「ルヴァ」「フランシス」「チャーリー」の四人。

オスカーも当番回ではエンジュに気がある素振りがあったものの、それが終わるときれいさっぱり忘れ去られたためノーカンとする。

 

で、最初のゼフェル。

エンジュのぐるぐるメガネがはずれた拍子にその彼女の美貌にドキッとするまるで昭和少女漫画か!とツッコミを入れたくなる出会い。

ゼフェルが恋をするきっかけというよりも、メガネがとれたら美少女だったというシチュエーションにしたいだけだろう。

そして、このシチュが似合うのがゼフェルだった。

もう少し踏み込んでいえば、同世代だと感覚的に合うこともありゼフェルとランディはこの場合は適役だったと思う。

ではなぜゼフェルにこの役を振られたかというと端的にランディより人気があった、としか思えない。

ドラマCDでもゼフェルはヒロインに恋心を寄せる役どころが多い。気持ちを汲みやすいキャラとして扱われているのだろう。

ちょっと横道にそれると、由羅版漫画ではランディEDになっている。ランディが人気キャラだからというわけではなく、この話にはランディが適しているという作者の考えがそのまま反映されたと思う。

というわけでエンジュの相手の第一候補となった。

 

次にルヴァ。

これはルヴァのキャラクターではなく神鳥守護聖の相関関係が深く関わっていると思われる。

つまり「エンジュに恋するゼフェルのことを知り引き下がるルヴァと、そのルヴァのことを知り見守るオリヴィエ」を描きたかったのだろう。

そもそもお世話になりっぱなしのルヴァの方がエンジュに恋する方が不自然だし、ゼフェルを目立たせるためにもルヴァの存在は欠かせなかったと考える。

 

それからフランシス。

これはエンジュとのカプで一番人気で、フランシス自身も人気が高い。

これ以上にうってつけのキャラクターはいなかっただろう。

だからこそ本格的な出番が後期になるのにわざわざ前期では「前世」という形で出演させている。しかも声も杉田氏とフランシスそのまま。

前世云々はレヴィアスとエリス→アリオスとコレット二匹目のどじょうから。

このままフランシスで最終的にEDを迎えられたら一番無難なものになったに違いないがなぜかフランシスは当て馬として存在した。

あれほど好き好きアピールしてもエンジュは困ったまま答えを出さないある意味最低な対応をして最後に選ばれる、とは考え難い。

 

最後にチャーリー。

これは私の持論ですが、もうひとりエンジュのお相手候補を作りたかったのだけど、そのときには既に後期はじめのユーイ、レオナード回は出来上がっていて修正不可能だった。

これはDVDのみに収録されている最終回でレオナードがエンジュLOVE隊の一員になっていることから途中からレオナード→エンジュに変更し、当初はその路線では想定していなかった証左になっている。

聖獣にも他にキャラクターがいるが、当番回のないエルンスト、メルは除き、おじさんのヴィクトールは論外、設定の重いティムカ、絡ませるのが難しいセイランは除外となって残りがチャーリーだったとしか思えない。

チャーリー残りものの福男。

人気キャラでいえばセイランになるんだけど、ドラマCDでもセイランを物語にからませるのに苦労しているし、そもそもエンジュとのカプについてはそれまでの既存キャラと組ませるのは抵抗がある層が多い。

これはあくまでもおさまりがいいという意味で、神鳥守護聖はリモージュ、教官協力者アリオスはコレット、レオフラユーイはエンジュという暗黙の了解がある。

SP2のドラマでもコレットの相手は教官協力者に重点を置いていて、それは新キャラを目立たせる作りであったと同時にリモージュを蔑ろにしない対策であったとも思う。

先にも書いた通り、ユーイとレオナード回は恋愛のないストーリーとして仕上げてしまったため修正不可能で他のキャラに振られ、それがチャーリーだったと考えている。

 

このアプローチの中でエンジュが恋しているのはどう考えてもチャーリーだけだろう。

あれほどゼフェルやフランシスが告白しても言葉を濁して逃げ腰になる彼女がチャーリーにはまんざらでもない態度をとる。

(ルヴァはエンジュに気持ちを伝えていないためエンジュは彼の気持ちを知らないままでいる。そんな彼に恋の相談をするという鬼の所業をするエンジュ…。)

恋愛は片方だけでなく、両方から描かれなくてはならない。

それなのになぜか恋アンでは男性からのアプローチを多くし、エンジュの気持ちはアリオスに似た男とアリオスにだけ向けられ、後半になってやっとチャーリーに向いた仕様に。

またエンジュの気持ちをはっきりとさせなかったのはエンジュ=あなたとしていたためぼやかした表現になってしまったところもあるだろう。

それでも話を恋愛EDにするならエンジュ側の気持ちを描かなくてはならないとは思うけれど。

 

余談ですが、エンジュの気持ちにまったく靡かなかったアリオス。

エンジュを一切受け付けないことでアリエンを不成立にする。

もともと恋アンは以前のヒロインであるリモコレの恋愛を少しもにおわせることはなく、当然アリコレも少しも書かれない代わりにアリエンも不可との喧嘩両成敗になったのかと思います。