脳内自己設定
アンジェリークの世界では根本的なことが謎のままだったりするので、自己設定を一部設けております。
今後、TV設定で長編を書けたらという一縷の希みがあるので、忘れないがためにメモ代わりに。
1)サクリアとは。
サクリアとは九つのサクリアと、女王のサクリアを含めた全部で十種類。
サクリアを増減などの操作ができるのは己の司るサクリアだけだが、感知することについては女王・守護聖どちらもすべてできる。
女王のサクリアとは、どのサクリアにも対応できるのだが、いってみれば無色透明であるがゆえに直接的な効果は薄い。
各サクリアが1必要なら女王のサクリアは3倍必要であるので、すべてを女王のサクリアで賄うのは大変効率が悪い。だから、女王をいただく成熟した宇宙には守護聖が存在するのだ。
尚、女王については守護聖のサクリアの操作は可能だが、遠隔操作のような手間のかかることなので、通常は各自のサクリアは守護聖が操作し、それでも微量のコントロールが必要な場合に限り、女王が操作することもある。
2)女王と守護聖の違いについて。
女王は守護聖の司るサクリアも操作できる他に、最も大きな違いは時流の操作が可能であること。これは、聖地と下界の時間の差や時空移動などの大掛かりなものまで含む。
また、宇宙の意思との連携になるが、女王は創世の時代からの各代の女王の記憶を引き継いでいる。
歴史としてあるわけではく、女王の思い出としての記憶なので、〇〇年✖✖のような編年体であるわけではなく、〇〇代女王の記憶として覚えている。
3)女王と女王補佐官について。
女王補佐官とは女王のサクリアを持つことが資格であるが、女王が在位している間はその力を封印(ないしは放棄)している状態となる。
万が一、女王の崩御によるサクリアの消滅時に、サクリアが目覚める場合がある。
ただし、女王補佐官は常時ある位ではないので、補佐官不在時は女王のサクリアを潜在的に持つ少女が女王として目覚める。
4)エトワール(聖天使)について。
エトワールは自身にはサクリアを有さないものの、九つのサクリアを操作することのできる少女のこと。
(女王のサクリアは操作できない。できるなら、それは女王と同一になってしまうから。)
サクリアはジェムの状態になっているが、通常の人間ではその力に翻弄されてしまうので、特殊な人間でなくては扱うことはできない。
尚、任期は女王一代につきエトワール(聖天使)一代きり。
女王の退位時にエトワールも強制的に退任となる。
これは、女王はサクリアの制限があるので永遠に続けることは不可能だが、サクリアの縛りがないエトワール(聖天使)については永続的にその地位に留まることが可能になり、女王よりも大きな権力を持つ可能性が否定できないためである。
また、エトワール(聖天使)はあくまで臨時職であるので、創世期の激動を乗り越えるために存在するものであって、永続的には必要ないからというのもある。
5)サクリアが女王・守護聖に及ぼす影響について。
人間は等しくどれかのサクリアはごく微量ながら体内に存在している。ただし、限りなくゼロに近い数値なので感知できない。
女王候補・守護聖候補については、まだ目覚めていない段階で通常の人間とは桁違いにサクリアを有しているが、聖地にいる女王・守護聖のサクリアが減少したときに、候補者たちはそのサクリアに目覚めることになる。
また、サクリアの力は大きく、それは各人の身体にも少なからず影響している。
よくいわれているのは、守護聖は司る力にふさわしい性格の人間である。
しかし、最も肉体的なことでいえば、サクリアが通常の人間のレヴェルになるまでは(つまり候補生~女王・守護聖退位)生殖能力はない。
生殖能力がないというが、性交は可能。だが、妊娠する(させる)ことができないので、不妊状態である。
サクリアは強い力のため生殖する力を抑えてしまうため。
守護聖の場合は精子が強い力を持ち、卵子を破壊してしまうので妊娠することはなく、女王の場合は仮に受精してもその受精卵を着床させることができないので、妊娠できない。
つまり、女王・守護聖を退位するまでは自分の子を残すことはできない。
6)魔導について。
魔導とはアリオスの故郷が独自に生み出した力であるが、神鳥にかつて存在した魔法とほぼ同意義である。
(神鳥では強すぎる力として女王が封印し、256代目女王が一時期解放したことがあるが、それもまた封印された。)
魔導の力は劣性遺伝子として伝えられているため、通常は民間人などから輩出されることはない。
当然、魔導士は魔導士の家系からほぼ出ているのだが、むろん、例外はあり、ルノーがそれである。
レヴィアスもまた例外のひとり。
彼は皇族であるが、強すぎる魔導の力を有している。翡翠の左目がなによりの証拠である。
レヴィアスは転生し、アリオスとして聖獣の宇宙に転生したので、本来なら聖獣の宇宙の民として魔導の力と記憶は消失するはずであった。
しかし、ラ・ガが無理矢理成長させてしまったので、本来ならゆっくり消滅してしまう魔導と記憶を有して誕生してしまった。
けれど、魔導が劣性遺伝子であることは変わりなく、その遺伝子を持っている者は聖獣の宇宙では皆無なので、アリオス一代限りの力である。
違和感
現在、とてもモヤモヤした気持ちです。
というのも、先ほどまでエトワールのアリオスEDの台詞をさらっていたのですが、話の流れに問題はないものの、違和感満載で正直萎えた。
結局、違和感の正体もわからず台詞を書き留めていたんですがね。
前にも書いたのですが、告白三段階目というのが、アリコレ好きなら本当にひどい話で。
アリオスがエンジュに「俺がお前を殺そうとしたらどうずる?」に対して「抵抗します!自分も命が惜しいし、アリオスさんにも人殺しになってほしくないから」というのが正解なんです。
エンジュはいいんです。彼女らしくて、一番普通な感情だと思うし。
しかし、アリオスが「愛するがゆえに命を捨てる奴もいれば、愛するがゆえに共に生きたいという想いもある」って、これは通常は前者がコレットであり、後者がエンジュってことになる。
ちなみに、エンジュの選択肢は他に「それが望みなら…」と「そんなの信じない!」というのがあって前者がエリス、後者をコレットになぞらえていたのかな、と思っていたんです。
だが、アリオスがいうには「俺がお前に近づいた目的がお前の命を奪うためだとしたら?」だった。
つまり、エリスならこの条件には適さないので却下。
なので、エリスというファクターを除いての選択となる。
それって変じゃない?
エトワールにおいてアリオスの過去は不明瞭だ。
かつて敵対していた事実を匂わせることがあるものの、明確に神鳥の宇宙の侵略者だったことは伏せられている。
そして、エリスのことにも触れられていない。
天レクノーマルED→トロワノーマル(アリオス出現なしでもOK)→エトワールに続くはずなのに、告白の段階でなぜかコレットを絡める発言となっている。
ここは本当に不親切で、基本的に過去作していなくても日常の会話からなんとなく判断するものが多い中、これは完全に天レクのアリオスEDを物語っている。
そしたら、天レクアリオスED→トロワノーマルED→エトワールなわけで、その間にアリオスとコレットの間が破綻したことを意味している。
言葉尻をつかまえるとそうとしか考えられないんだけど、おそらく作り手は「アリコレとは違うアリエンというCP」を打ち立てようとした結果だとは思う。
アリコレは他キャラにない強い結びつきが特徴的であり、これを越えるとなると、もう「エリスの生まれ変わり」くらいしか手がないと思う。
けれど、エリスに瓜二つ→エリスに似ているから愛しているわけではないことに気づくというアリコレの流れには勝てないと思う。
だから、「なにも知らない無垢な少女との恋愛」という意味になったと思うし。
むしろ、「愛するがゆえに命を捨てる奴もいれば、愛するがゆえに共に生きたいという想いもある」というのは、アリオスの気持ちととらえても問題ないかもしれない。
彼のために命を捨てようとしたコレット。愛するがゆえにともに生きたかったアリオス。
トロワの失恋EDで「ともに生きたいと願ったことは何度もある」と言っているから、共にいられないジレンマに悩んでいるようにすら感じてしまう。
だからか、アリオス→コレットだと妙に納得する。
コレットは慈愛の女王として、傷ついた魂をもつアリオスを助けたかった。
アリオスは自死、転生し、やがてその傷もゆっくりだが癒えていく。
けれど、彼が本当に望んだ愛するものとともに生きるという願いは、宇宙の女王という至高の存在の前には無残にも散ってしまい、せめてもの願いで同じ聖地で同じ時を過ごす選択をしたアリオス。
つまりエトワールにて、エンジュに癒されるよりもただひとりを陰から見守る方がずっとアリオスらしいと思ってしまうのです。
つい見てしまうと…
恋する天使アンジェリークですが、我が家にあるPC3台の内どの巻も問題なく見られるのが私のノーパソだけで、リビングにある大きなPCは見ていたら突如DVDドライブが壊れてしまったようで沈黙。
会社からお借りしているノーパソも見られる、見られないと何故か選り好みして。
一番作業に使い、スペックの劣る私のノーパソで見るという始末。
(もう十数年前に購入したDVDデッキも選り好みしてくれる。)
恋アンをベースにして二次創作を書きたい野望はずっとあるのですが、どうもそんな調子もあって、まったく頓挫しております。
しかし、最近考え方が変わってきて。
最初は「なぜアリエンテイストを醸し出すの?それに付随してコレットを出すの?なんなの?なぜ、エンジュの相手にアリオスを選ぶの?」とかなり不快感でいっぱいでした。
これは、テレビアニメの感想でもかなり同様のことを書いてあった。
次に、アリオスの視点から物語を見るようになっていたので「アリオスはずっと女王の命令で動いていて、エンジュに1㎜も心が動かないんだ」と安心した。
その動機が『エリスを愛しているから』というものなので、納得しているわけではないのですが、エトワールが舞台ならそれもやむを得ないかと。
そして、最近では「エルンストは元から隠しキャラ的な存在だから仕方ないとしても、オスカーとかランディなんてOVAでも目立つタイプが撃沈している。ランディなんて村人扱い程度だ」と感心して見るようになってきた。
私が長編を書くとしたら、オスカー、ランディについては『他のキャラとバランスをとるために活躍する場を削る(譲る)』ことを考えるキャラクターだ。
剣が得意であるから戦う場面で使えるし、ジュリアス配下として伝令役としてもいける。無論、女性にやさしいキャラなので、慰める場面でも問題ない。
だから、オールマイティに活躍できるので、それを描いてしまうとオスカーやランディばかりが目立って、特技のあまりないキャラがより影が薄いという悪循環になってしまう。
でも、恋アンは違う。
基本的にエンジュからの目線で話が進むので、明らかにエンジュが意識している、していないによってキャラクターの空気感が異なる。
ランディはともかく、オスカーは人気キャラということもあり、他のキャラよりもずっと出番はある。あるのだが、エンジュから異性として意識されていない。
サクリアの精霊と戦うけれど、それをかっこいいと見てくれるエンジュはいない。だからか、なんとなく空気なオスカー。
可哀そうに、エンジュに猛アピールしているゼフェルもその煽りを受けて空気感満載。
通常は出番がある=印象に残るだが、恋アンについてはその法則が適応できない。
ルヴァは台詞の数は守護聖の中で一番かと思うくらい多いのだが、常に石板の翻訳係となっているため、エンジュが好きだという設定にも関わらず”その他大勢”から出ない。なぜ?
アンジェのキャラの中でもセイランなんて人気の高い方だと思うが、完全にエンジュには意識されていない。そして、それを喜んでいる人が多かった(テレビアニメの感想で良くやった!セイラン!的なコメント多数だったと思う)。
この空気感真似できない。
アンジェリークは変わらない
一ヶ月以上なにも書かない日が続いたけれど、先日ネタが落ちてきて二日連続で短編二編ほど書き上げたんですが。
締め切りがあるわけでもないので、ネタがないときはまったく書かないスタンスであります。
そんな中、昔の自作を読んでいたのですが、これがまたキーワードのように『アンジェリークは変わらない』という文言がいくつもの作品に出てきてビックリしました。
創作のコンセプトというわけではなく、私のアリコレのコンセプトのひとつなんだろうなって。
『アンジェリークは変わらない』というのは表面的に言えば嘘です。
女王に戴冠後、彼女を取り巻く環境は悉く変わった。
人間環境が変われば良くも悪くも変わるもので「あいつは昔から変わらない」というのが誉め言葉であることからも、本来の彼女は変わっても当然だし、いや普通の少女から立派な女王へと変化したと思う。
けれど、そんな中でアリオスを想う気持ちは『少しも変わらない』のだ。
裏切り、戦い、死に、逃げようとしたアリオスを彼女は変わらずに愛していた。
コレットの人生の中でアリオス以外の男が入る余地がなかったわけではない。
好きになろうと思ったら誰かに惹かれるには十分な環境であっただろう。
しかし、彼女は誰も好きにならなかった。いや、なれなかった。
だから、『アンジェリークは変わらない』。
これを言えるのはただ、アリオスだけ。
もうひとりのアリオス
やっと序盤から抜け出せそうなネオアンですが、子供が一日一時間だけのプレイ時間を守るが如くでなかなか進みません。
このゲームの区切りがわからなくて、ゲームをしたい気持ちがあまりない最近ではPSPを立ち上げてちょこっとやってお終いにしている感じです。
決して嫌いだとか苦手だとかそういうものではないけれど、今はなんだかかったるい気分なだけで、いつでもできると思うと先延ばしぎみになっています。
で、レインをメインに攻めているのですが、レインの口調などが『親に愛されたアリオス』を思わせてならない。
まだ終わっていないのではっきりとはわからないけれど、レインは親兄弟に恵まれた立場でなくてもレヴィアスのように疎まれていた(腫れ物に触るような)育て方をされたわけではない。
ので、通常の愛情を与えたアリオスのように思う。
アンジェとのやりとりも同世代ということもあって一番自然だし、わかりやすい恋だ。
レヴィアスが屈折した性格をしていなければ、エリスの「世界を回しても私はあなたの味方」というような重たい愛情を与える少女でなくても、こんな風に誰もが一度は経験する甘酸っぱい恋愛をしていたんじゃないかな、と思わせる。
そこで、アリコレ脳である私には「レインはアリオスとコレットが愛情を与えた結果=息子」な法則が生まれてしまった(笑)。
レインは間違いなくアリオスの気質が受け継がれているわけだから、遺伝的にもしっくりくるし。
服のセンスなんかも似ているし、なにより顔が似てるんだよね!
だから、魔恋が「他の女に手を出していないか浮気調査」だったのに、ネオアンをプレイしていると「アリオスとコレットの子供の恋愛事情」を覗き見している気分になってます。
「あんなに小さかったレイン君も、今は彼女がいるんだって!」と井戸端会議している近所のおばちゃん(笑)。
ひとつ不満があるなら、レインの設定が詰め込み過ぎなこと。
なにかの天才というのはいいけれど、オーブハンターとしての才覚があるだけでいいんじゃないの?
研究によって得られたものだとしても、自分が博士でなくてもいいはずだし。
ただ、他のキャラが人生において深刻な悩みを持っている設定だから、そうするとレインだけが浮いてしまうから色々付属をつけたんだろうとは思うけれど、今のところ余分にしか思えない。
ネオアンはじめました
魔導の護り石のくだりがアリコレを彷彿させると聞き、ずっと手を出さなかったネオアンをプレイ中。
まだまだ序盤なんですが、アンジェリークの世界観を引き継ぐという意味では、まさにアンジェリークの続編という感じ。
アルカディアのことを「遠い場所からきた女王が創った」というのが示されていて、理想郷の名付け親はリモージュだけど、育てたのはコレットなのでどちらでも読めるようにしてあるのはさすがです。
けれど、攻略対象が違うし、やはり独特の感覚もあるから、いい意味でアンジェとはシリーズが別物だとも思う。
そんなアンジェとネオアンの大きな違いは、ヒロインの置かれている立場だと思った。
まず、アンジェリークは大前提として「女王候補時代に守護聖に選ばれる立場だった」というのがあり、基本的に攻略対象(男)>ヒロインの関係。
同じ立場のネオアンは平等に思えど、希少価値という点で攻略対象(男)<ヒロインになるため、女性上位の関係。
どちらも女王がトップであるから女性上位の世界であることは間違いないのだけど、アンジェリークはたとえヒロインが女王であったとしても、コレットは目下の存在だった。だから、彼女はヒロインであったときはアリオスを除きみな敬語を使っている。
昔読んだレヴューで「ネオアンはヒロインをちやほやする」とあったが、アンジェリークをプレイしたことあるなら、それは確かに感じる。
ただ、アンジェと違って男性陣がみな守護聖のような立場でないのだから、ヒロインに対して(年齢はともかく)目下に見るのも変なので、これは仕方ないのかもしれない。
最初、ライバルがいないからこんな感じになったのかな?と思ったけれど、エトワのエンジュも目下扱いであったから、ライバル云々ではなくて、やはり「女王の卵」として大事にされるという価値観の相違からきたものだと思った。
あまり個性がないと言われるアンジェリークのヒロインで、ネオアンのヒロインは「美少女(とは名言されていないがそのような雰囲気がある)で優等生」な感じは他のヒロインとの差別化が出来ていいと思う。
リモージュ・コレットは散々「平凡な少女」であったから、エンジュが「元気な田舎娘」となったと思うし、それに対して「優等生美少女、だけど孤児」というのはよい感じ。
ネオロマシリーズに限らず乙女ゲーにはヒロインのファンというのが少なからずいるが、ネオアンのアンジェが人気あるのは理解できる。
魔導の護り石は二週目以降でないと登場しないので、まだまだ先が長いのですが、少し前にしたのがテキストゲーの魔恋だったもので、読み飛ばしで先送りするということができないから、地道にやってみたいと思います。
何気に幸福度を上げるのが楽しい。
コレットが育てた宇宙だと思うと愛おしくて(笑)。
魔恋 クロニクルモード(ネタバレあり)
魔恋で一番感動すると言われていたクロニクルモードを終了。
確かに、本筋の別視点という点でも、隠された過去を垣間見るという点においても、重要事項が含まれ、それによってこのキャラクターはこんな動機で行動していたのかとわかるから感動する。
特に、生まれながらにして不幸を背負って立つ男マイレアス。
レヴィアスの不幸体質は紛れもなく父親からの遺伝である。
彼が反乱そのものに賛成というよりも、己の不甲斐なさによって不幸にしてしまった息子を皇位につけたかった。
これは納得するし、自分で選んで息子に殺されるあたりは感動する。
ですがね、マイレアスが凡庸になったのは、強い魔力を封じてしまった後遺症なんですが、なぜその封印が解けたかが謎。
いきなり「ピコン!!」レベルが上がった!みたいな感じで解けた。
それ以前に、父親である前皇帝が、なぜマイレアスの力を封じる必要があったのか。
これが第二皇子で皇太子の地位を脅かすというなら、まだ理解できる。
しかし、マイレアスは皇太子なのだ。
彼を脅かす存在はない。
(叔父など親族と皇位継承を争ったなどの記述はないから、本当に謎。)
優秀な皇子が立太子すらできないというのは割合あって、一条天皇は愛する定子皇后との第一皇子の立太子を断念している。
(これは定子が父を亡くし兄が流罪となって勢力を失い、道長の娘彰子中宮に屈したから。)
凡庸なトップでも政権が保てるのは、その政治機構の基盤が固まっていたら問題はない。
だから、マイレアスの魔力を封じるそもそもの理由がないのだ。
天レクと違って魔恋ではレヴィアスは廃皇子なんだけど、命を狙われていた理由が強い魔力を秘めているため、皇帝が危惧していたというもの。
でも、皇帝の守りは鉄壁であり、ひとりによって左右されるものではない。
トップに立てるべき人材によって(下から持ち上げる場合も多々ある)そこに不満分子が集まり、反乱を起こされるのを一番懸念すべき材料なんだけど、そこが描かれていない。
つまり、こうした人物が武力を持つことを一番に恐れ、その疑いがある時点で処罰されてもおかしくはないのだから、傭兵団なんてやってられない。
レヴィアスは皇族の身分こそ隠していたけれど、その動向は皇帝に筒抜けだったから、ちょっと変だよ…と思う。
本当に細かいけれど、マイレアスを王族というのだけど、皇族でしょう。
王侯貴族というように、王は爵位のひとつであり、恐らくは絶対王政や専制君主制に近いような強い政権下であった皇族と王族は身分も権力も違っていたはず。
あまりにも政権というものに対して、書き方がおざなりすぎる。
ゲームはひとりが作り上げるものでないから、どうしてもシナリオの詳細が破綻するようなことが起きる。
でも、それを勢いで飛ばしてしまえるような、そういう魅力的なストーリーであればいいのであって、言葉尻を掴まえられるようになると、そこにはもう勢いがないってことなんだと思う。
マイレアスはかなり魅力的な人間に描かれていて、天レクの凡庸さが嘘みたいだった。
けれど、お膳立ての段階で「?」だから、感情移入があまりできなかった。
非常に惜しいな、と思う。
レヴィアス側は革命とか言ってるけど、特別なにかのために戦っているわけじゃなくて、居場所のない連中が一辺天下取ったるか!みたいな単なる権力争いを美談に仕上げようとするから、端々から綻びが出てしまったのでしょうか。
せっかく悲劇性を高めたいなら、ここはしっかり基礎を固めないと。
クロニクルモードを一言でいうなら、「たとえファンタジーだとしても、もちっと歴史の勉強しようぜ」ということでしょうか。