女王の恋
私が女王でも恋ができるという発想を知ったのは、ある方の同人誌でした。
まだSP2発売前後のこと。
リモージュが大好きな方が「ヒロインが変わってショック?って聞かれるけど、私は平気。だって、女王陛下と秘密の恋♪」と書いてあって、目から鱗!でした。
私としては、その後リモージュよりコレットに堕ちてしまったし、エトワール前に離脱してしまったので、コレット女王で恋ということにはならなかったのね。
(何度も繰り返すけれど、天レク以降コレットは名目は女王だけど、トロワまでは女王扱いされていない。)
あのときは、女王でも恋してOK!だと信じて疑わなかったけれど、再燃してから考えは変わった。
女王は恋してもOKだけど、守護聖とは必ず破局する、となっている。
前にも書いたけれど、アンジェリークの世界観では、結ばれた恋はずっと続く、となっている。自然消滅ということがないんだよね。
なら、サクリアが減少した女王と守護聖は退位しなくてはならないので、ここで永遠の別れがやって来る。
それでもいいなら恋してもいい。でも、絶対破局するとなってしまう。
守護聖ならびに女王を退位しても、聖地に残ればいいじゃん、という考えもあるんだけど、私はその方向で考えられなくて。
というのも、ちょっと横道にそれて、守護聖と女王は退位する時期が決まっているんだけど、補佐官と聖天使(+アリオス)は?となる。
補佐官はディアが女王と一緒に退位してるから、絶対でなくても慣例として、女王と共に退位するような気もする。
けれど、サクリアという縛りのない聖天使は、エンジュが下界へ降りたいと考えるまでいられる可能性がある。
となれば、女王の代替わりが幾度もあっても、彼女だけ残った場合、それはちょっと怖いことなんじゃないかな?
あれだけジュリアスとクラヴィスが特別視されているのは、権力が強いわけではないけれど、聖地に長くいるという理由が大きい。
なら、エンジュだって古参の人間となり、女王や守護聖より意見が通りやすい環境下になったとしたら、宇宙はエンジュの思うようになる可能性が否定できない。
当然、エンジュはそんなことをしないし、彼女の気持ちは前向きで、いい人なのはわかっていても、いいことがそのままいい方向に進むとは限らない。
アンジェリークってそういう世界観でしょう。守護聖という絶対的な存在だけど、どうしても負の感情を鬱積させて暗黒の力を得てしまうのだから。
つまり、退位した女王や守護聖がそのまま聖地に残った場合、そういう弊害が出る可能性がある。
いくら非営利団体だったとしても、下界に降りたら権力なんてないに等しいものだったとしても、絶大的な力を持って、宇宙の頂点にいる意味は大きい。
それが、与える影響も大きい。
女王・守護聖なら絶対的に終わる時期があるけれど、それが見えない場合は永遠に近い時間を己のままに操ることさえできるのだ。
だから、個人的な設定では、守護聖が退位するなら、守護聖補佐以下すべて代替わりというのを原則としています。
性善説に基づく聖地だけど、やっぱり不正腐敗を未然に防ぐということは大切なことだと思っているから。
ゲームの設定でも、元から『聖地に来ること=自分の周囲を犠牲』にしてきたという概念が強すぎて、終わったらさっさと聖地から去るとだけで、聖地に残るということへの考えが、すっぽり抜けていたんだと思う。
なので、女王と守護聖は破局前提になるなら、クラヴィスと255代目女王との失恋もわかるんだよね。
女王としての決意だけでなく、もっと好きになると辛くなるから、その前に綺麗に別れたい。
そういう女性としての危機感があったとしたら、クラヴィスを振る意味が深まるように思うのだが。
愛してるから結ばれるのではなく、愛してるから綺麗な想い出で。
そういう幾重にも人間的な感情を踏みにじる聖地。神聖な場所でありながらのパラドックス。
これそこ暗い影が除くアンジェリークの世界観って気がする。
symbolとimportant
ちょっと前回の記事のつづきになりますが、書き手の言い分が受け手に十分伝わっていない場合がある。
そこで思い出すのが、受験で自分の文章が採用された作家さんだけど、答えが違うということ。
これって結構よくあるらしい。
自分の考えと「受験国語」の相違であるから、仕方ないのですが。
つまりは、二次創作なんてそんなもんだろうと思う(笑)。
で、symbol(象徴)とimportant(重要)について。
物語にはそのsymbol=importantではないことが多々ある。
どんなに活躍するヒロインであっても、物語の根幹における重要人物ではないということ。
SP1とSP2については、ストーリーはないようなものだから省略するとして、問題は天レク・トロワ・エトワール。
天レクのsymbolはゲームジャケットのコレットとアリオスで間違いない。
でも、物語を回しているのは、ジュリアスとクラヴィスとレヴィアスだと思う。
ジュリアスは女王の奪還と宇宙の平和について、リモージュの考えだと思われる方向で話を進めている。ここに異論を挟めるのはクラヴィスだけ。つまりアクセルはジュリアス、ブレーキはクラヴィスで構成。
そして、レヴィアスが裏で様々な仕掛けをしていたわけだから、この人がいなければ物語がすすまない。
で、コレットについて。
コレットはジュリアスの付属品に他ならない。つまり、リモージュの意思を継ぐものであるけれど、基本的に、下っ端扱いなのでジュリアスの下。
エリスの器としての価値はあるけれど、これはレヴィアスにとってうれしい誤算に過ぎず、彼女がいなかったとしても(内偵のため仲間にならないとは思うが)、守護聖側になにかしらの接触はあったと思う。
すると、コレットがいなくてもレヴィアスの侵略はそのまま進んでいたわけで、尚且つ、彼女がとどめを刺すか、彼が自決するかの違いこそあれ、レヴィアスの死は変えられない。
よって、コレットはimportantな人物ではないと判断する。
次にトロワ。
これは、未来の聖獣の宇宙のこと。
なので、どんなに超人的な活躍を見せたリモージュもばっさり切って、物語の根幹はコレットとエルダ。
そして、symbolもまたこのふたりだと思う。
ティエン・シーはエルダの付属、レイチェルはコレットの付属。
あくまでも、ふたりの邂逅の物語。
アルカディアにバリアを張る、消滅の期間を延ばすことは死活問題だとしても、エルダの解放に変化はないので、コレットがimportantな人物になると思う。
エルダもEDでちょろっとしか活躍しないのだが、この人がいなければ解決しないのは確か。
未来の危機の救済という名目だけど、根幹部分は女王と宇宙の意思とのつながりの深さ(強さ)なのかもしれない。
その次は、エトワール。
これは聖獣の創成期についてなので、神鳥のキャラはバッサリ切る。
守護聖が集まる前からスターとするので、そこにいるのは、コレット、レイチェル、アリオス、エンジュ。
エンジュはレイチェルの指示で動くので、彼女の付属品。
コレットは崩壊しそうな宇宙を支えてはいるのだが、彼女自身の思考で動くことはない(むしろ動けなくなっている)。
となれば、レイチェルとアリオスが支えているのがわかる。
つまり、エトワールは伝説のエトワールであるエンジュがsymbolで、物語のimportantな人物がレイチェルとアリオス。
これは後々の聖獣の運営について、ほとんどこれで間違いない。
コレットは女王だけど、あくまでsymbol的なキャラであり、実際にその世界を動かしているのは、レイチェルとアリオス。
ちなみに、神鳥の宇宙でのsymbolはリモージュ。importantな人物はジュリアスとクラヴィス。
ジュリアスが基本的なレールを敷いて、運行するけれど、口を挟み、止めることができるのはクラヴィスなので。
どうも、ロザリアはそこまで関与してなさそうな雰囲気なんだよね。
(これはロザリアの存在が軽いというわけではなく、古くからいるふたりによって左右される仕組みがすっかり出来上がっているから。)
そんなことを考えながら話を構築するのは楽しいものです。
物語の解釈
今は割と「公式が」という発言が多いと思うけれど、そこをどう自己流に解釈するかが二次創作の楽しいところだと思うのだけど。
というよりも、昔から物語(だけでないのだが)は二次創作を重ねてきた結果なんだよね。
今伝わっている源氏物語なんて、どこまで原作でどこまで二次創作かすらわかってないんだから(笑)。
中国の古典文学なんかは、注釈という名の二次創作みたいなものだし。
それに、自分の主張を通すために、「先人曰く~」って、どう考えても苦しいぞ!ってことも結構やってるからね(笑)。
自分以外の考えは認めないと押し付けてくるのは論外だけど、「お前は○○だと主張するが、公式は✖✖のはず。それはどこの文献にあるのだ?」なんて、まさか博士論文のようなことは求めてこないだろう(笑)。
アンジェリークの世界観なんて、どこまでも綺麗事な主観で通すこともできるし、逆にどこまでも暗い影を落とすこともできるから、それは受け止め方によって違う。
たとえば、神鳥は戦争のない世界だけど(SP2のヴィクトールの台詞にあったはず)、文明が高度化すると、確かに戦争は起こりにくい。
けれど、ナドラーガにはじまる負の力は存在するのだから、人間の業をどのように解釈するかで、「戦争のない平和な世界」から「表面は争いがなくもて荒んだ世界」にまでできる。
神鳥は平和な時代かもしれないけれど、黎明期の聖獣は違うから、こちらは戦争に明け暮れた惑星もあって然るべきかもしれない。
私はそんな風に考えるのが楽しいんだけど、我に返るとちょっと冷静に阿保だとも思うわ(笑)。
暗喩と間接的表現
私が暗喩というかキャラクターの象徴物を強く意識したのは、まだSFCだったFF6のエンディングロールでのこと。
そこには各キャラの好きなもの、象徴するようなものが現れてから、崩壊する世界からの脱出風景が語られている。
ガウならお宝の金のヘルメットだし、シャドウならリンゴに突き刺さった手裏剣、リルムなら絵筆、セッツァーならトランプ、フィガロ兄弟なら彼らの運命を決めたコイン等々。
しかし、見て即座に理解できなかったのが、ふたつある。
ひとつは、ティナのカクテルグラス。
カクテルグラスはふたつあって、その上に細いネックレスが橋渡しになっているんだけど、思い返してもそれが物語上になかった。
で、これは今後の彼女の暗喩なんだと気づいた。
幻獣のハーフである彼女は、記憶や感情を失っていたが、仲間たちや子供たちにふれあう内に、徐々にそれを取り戻していく。
相容れないはずの幻獣と人間との子供である彼女が、今後崩壊した世界で幻獣界と人間界との橋渡しとなり、彼女は絶対的に必要な存在になる、そういう意味だと理解した。
次に、不可解だったのはロックとセリスの薔薇の花束。
しかし、これはティナほど頭をひねらなかった。
これもまた物語には出てこないんだけど(設定としてセリスは薔薇を大事にしているのはあるが、ゲームには絡んでこない)、ふたりして花束なら結婚の暗喩だと。
結婚かどうかは置いておくとして、そう遠くない未来に、ふたりが結ばれることを示しているようでならない。
ロック不在だとどうなるかは見てないから想像なんだけど(ロックはいなくてもクリアできる)、エンディングに彼がいない場合はセッツァーがその役目になる。けれど、彼の象徴物はトランプだから、薔薇はセリスだけのものってことになるのかな。セリスの宝物は薔薇だから、話としても通るし。
だからこそ、ふたりしての花束の意味に深いものを感じていたの。
で、そんなことを友達に話したら、半ば白目で「そんなこと考えたことない」と言われましたっけ。
先日も「白い翼はヒロインの暗喩だから」と言って、友達にやや引かれたのも記憶に新しい。
どうも私はこの手の自己流な解釈をしてしまうんだよね。
それと、私は直接的な描写よりも間接的な描写が好きです。
それがわかったのは、FF6の頃よりもずっと後のことですが、そういう文面に出会うと、いいなと心から思う。
名を明かす、肌をさらす、ということが今よりハードルが高かった時代の、なんとも美しいシーン。
大塚ひかりさんが「性愛のシーン」と書いてあったのが、まさにそう。
ただ、ネックレスとか外すだけで、子供ができるので性愛の暗喩には違いない。
直接ヤった、というよりも、幻想的で好き。
あとは、変身物語のハデスとペルセポネの話。
ハデスが彼女を冥界に攫っていく場面で、「ペルセポネの前掛けが破れてしまって、せっかく集めた花を失ってしまったことに、彼女はひどく悲しんだ。なんとも無垢な乙女の心よ」とある。
つまり、服が破れる=破瓜、けれど、それに気づかない無垢な心(純潔)を意味しているわけだから、非常にうまく描かれている。
また、ペルセポネの母親のデメテルが、彼女が攫われた近くで、ペルセポネの帯を見つけて泣くんだけど、帯がない=純潔ではないという意味だから、既に彼女は乙女でなくなっているんだよね。
私もこういうシーン書きたいんだけど、そこまでの技術がなくて、なんだかグタグタになることが多い。
直接表現ないのにエロい!って話は本当に憧れる。
トラウマを持つ男たち
アンジェリークの中にはガッツリとトラウマという沼にハマっているキャラがいくらかいる。
それを救いたいというのが、一種の恋愛感情になるから不思議だよね(笑)。
まず、一番目はクラヴィス。
この人は255代目女王との悲恋が思い出されるけれど、私は母親との別離がきっかけだと思っている。
ちょっと話がそれるけれど、クラヴィスとジュリアスは幼児期に守護聖になっているから、とても似ている環境下にあったはずなのに、似て非なる存在になる。
ジュリアスは聖地に召されるまで約1年の月日がある。つまり、物事ついたときには、「あなたは守護聖となる人よ」と言われて育つ。
対して、クラヴィスは突如として聖地へ連行されたわけだから、17歳のゼフェルだって反発してたくらいなのに、それを6歳の、今でいえば幼稚園年長程度の年齢で強制されたわけで、それが暗く影を落とすのは当たり前でしょう。
更に、クラヴィスは水晶球によって下界の様子が見えてしまうから、「ある日突然母親の姿が見えなくなった=母の死」という残酷な現実を知ってしまう。
唯一愛し、愛された肉親の死が彼を厭世的にしたのは、ごく自然の成り行きだと思う。
その後、やっと開けてきた未来、それは255代目女王(候補当時)との恋愛だったが、守護聖であることで破れてしまう。
総合すると、「守護聖である」ということが、クラヴィスの願うものを悉く喪失させているんだよね。
だから、いくらジュリアスが怠慢だと怒っても、守護聖でない自分にはなれない限りは、そうならざるおえないのかな、と。
次は、ヴィクトール。
この人の場合、女王試験がきっかけでトラウマを克服するんだけど、精神の教官ということもあり、女王試験がなかったとしても、遅かれ早かれトラウマを克服しそうな気がする。
というのも、彼がとある任務で部下全員を失ったショックの上に、生き残った自分だけ「悲劇の英雄」扱いされることに納得してなかった。
だから、将軍職を任命されても受け入れられなかったんだよね。
でも、女王試験の中で、自分が生きている意味、若くして散ってしまった部下たちを思えば、今後どうしたらいいのか、それを考え、行動する力を持つ。
だから、女王試験はあくまできっかけで、彼は元から克服する力を持っていて、その時期が女王試験で早まっただけのように思えてならない。
SP2にて「トラウマ持ち」として登場したけれど、冷静に考えると個人的な闇はクラヴィスの方が深いと思う。
その次は、アリオス。
この人の場合は、精神的にはとてもクラヴィスに似ていると思う。
でも、アンジェリークのキャラの中で、唯一違うのが「肉親(身内)に愛された記憶がない」ということ。
これってすごく大きい。
逆に言うと、クラヴィスが母親に固執したのは、小さな子供の世界には肉親しかいないということも含めて、母から多大なる愛情を受け取っていたからでしょう。
彼の場合それがなくて、さらに命まで狙われいて、でも、皇族という身分から逃れられず、やっとの思いで掴んだ幸せは、エリスの死というもので脆くも崩れてしまう。
ここからが、この人とクラヴィスの違うところなんだけど、思考は後ろ向きなのに、行動は邁進する力があるんだよな。
きっかけはエリスの死であるのは間違いなくても、その前からあった鬱憤をクーデターで晴らそうとしているあたり、その行動力をもっと違ったものに生かせたら…と思わざるおえない(笑)。
最期は、フランシス。
私はどうしてもこの人は、京極夏彦の「狂骨の夢」に登場する降旗さんと被ってしまうんだよね。
降旗さんも精神科医で、幼少期から見る夢がトラウマで、それを解決しようと心理学の道にすすむんだけど、かえって自分を混乱させて、見なくてもいい自分まで見て、自己を見失ってしまう。
結果としてトラウマの夢は解決するんだけど、それはトラウマ克服にはならないの。
理由がわかったところで、それが自分にとってなんの解決にもならない。
だから、フランシスも「自分のせいで父親が死んでしまった」というトラウマがあったとしても、その理由がはっきりしていても、解決していない。
ゲームをしていないから、書籍やドラマCDでしかわからないけれど、どうしても「トラウマを克服して明るくなった」感じはない。
(エトワールEDではかなり前向きになってるっぽいけれど。)
むしろ、この人はトラウマがきっかけかもしれないけれど、後ろ向きというよりも、他人に絶対入れないテリトリーの中で自分を飼っていることが、一番快適なんじゃないのかな?
女性にやさしいのに、根本的に女性のことを信じていない。
そんな彼は自分という殻の中で、ひたすら自分を守るような生き方が、らしいと思ってしまうんだけど。
私の中のアリコレ考
私は割と辛口なアリコレも、砂を吐くほどの甘々なアリコレ創作もどちらも好きです。
辛口なのはゲームで素っ気ない面を見せたアリオスを大きく扱っているからだと思うし、逆に甘々なのは、「愛してる」なんて素で言っちゃうアリオスが大きく影響した結果だと思っている。
つまりは、どちらを自分が大きく受け止めているかによって、扱いが変わるだけで、本質的な部分に変化はない。
私も適当にアリコレの二次創作を書いていて、そのときによってアリオスもコレットも違ってくるけれど、大元は一緒だったりします(パラレルは除く)。
以下は私のアリコレ妄想録。
基本的なスタンスは、コレットについては「アリオスが好きだけど、好きな気持ちが相手に伝わらない。自分が年下で経験不足が歯がゆい。その後、敵として対峙しても彼を想う気持ちは変わらない。自己犠牲に徹しても、どうしても彼を救いたかった」です。
しかし、ここで言う自己犠牲ですが、女王としての慈愛だけではなく、「自分は死んでも構わない。でも、せめて(意識はないとしても)身体は彼の隣りにいたい」という自己の欲望もあるんです。
恋する乙女だもの。好きな人と一緒にいたいって思う。
その後、「記憶を喪失して、取り戻して、それだけでなにも望まない。一緒にいられるだけで、転生してくれた以上は望んではいけない」となる。
私のコレットが割合暗いのは、ここなんだよね。
自分を抑えてしまうところ。
実際、生まれ変わってよかった!ラッキーってならない。
アリオスが転生する意味って絶対あるわけだし、本来個人的なことに関与してはならぬ女王でありながら、関わってしまったわけだし。
だから、どんなに約束の地でバカップルな会話をしても(笑)、そこで結ばれているわけじゃない。
次に、アリオス側。
「エリスに似ている。彼女の血を媒介にして、エリスを蘇らせるための器としてしか見ていなかったのに、それがいつの間にか”アンジェリーク”という存在に変化する。親密度イベントには、既にもうその変調がある。無人島イベント時にはある程度彼女のことを意識していた」となる。
けれど、アリオスとコレットが決定的に違うのは、「コレットはアリオスの真意を知らず、けれど、アリオスはコレットの真意を理解してなお、彼女を拒んでいる」のです。
つまり、アリオスは彼女から好意を持たれていると自覚して、それを利用しているのだけど、更に自分が彼女に惹かれているのも薄々感じているんだけれど、それをねじ伏せている。
「エリスの器」「内偵」ということを言い訳にしてる。
本当に「自分はアンジェリークを愛している」と認めたのは、最終決戦で敗れ、コレットの「あなただけを選ぶ」の言葉を聞いてからだと思う。
だから、どんなにバカップルぶりを発揮しても(笑)、自他共に認められる恋人同士になったのは、エトワールの創成期の危機を脱してからだと、私は位置づけている。
トロワ後はある程度恋仲であったかもしれないし、それこそ肉体関係もあったかもしれないが、心身ともに、また周囲にも認められるような関係になるのは、エトワール以降。
天レクからエトワールまで、どれくらいの時間がかかったかはわからないけれど、そう考えるとこのふたり、結ばれるまでに結構時間がかかっている。
そこで、アリオスはコレットの初恋の相手だと思うんだよね。
だって、こんな面倒な男を好きでい続けるなんて、ちょっと人間技じゃない(笑)。
初恋こじらせて恋愛できないタイプってまさにこれなんじゃないの?ってくらい。
コレットの周囲には守護聖をはじめ、(人間的によいかはともかく)スペックの高い男性がいたわけだから、以前に好きになった人がいれば「アリオスより✖✖様の方が素敵だったわ!」となるのが普通だもんね。
そんなふたりは、エトワール以降は強い絆で結ばれている。
コレットとしたら「自分の手を取ってくれる」ということと、アリオスにしてみれば「自分を丸ごと包んでくれる」ということが一致するから。
本来、縛られることを嫌うアリオスが、聖地という鳥籠の中で、女王のみに仕えているというのがなによりの証拠。
表面上(公式では)アリオスは恩ある女王が危機に陥って助けるために、この聖地へやって来たことになっているが、彼の性格から考えてそれはありえない。
彼はコレットのことを大恩ある女性とは絶対に思っていない。そして、その恩のために人知れず働くこともしない。なにより、自ら縛られる環境下で生きていない。
となると、彼はコレットのためだけに生きているということになってしまうのだ。
私はコレットの退位後も創作しているんだけど、結婚して子供に恵まれてというのは、まさに私の願望。
結ばれるまでつらく険しい道のりのふたりに、ごく当たり前の幸せを与えたかった。
特にアリオスはそういう愛情を知らずに、知ってもすぐに失ってしまったのだから、幸せになってほしい。
コレットならアリオスじゃなくても幸せを築けると思うけど、アリオスは絶対コレットじゃないとダメだと思う。
だから、どんなに立場や心境に変化があったとしても、私はアリオスをコレット以外の女性とくっつけられないんだよね。
ところで、どうでもいい話。
いろいろ書いていると、アリオスは超ノーマルだと思う(笑)。
結構、俺様キャラだから真性のSみたいなことを言われるんだけど、俯瞰的に見られるタイプといい、守護聖と違って割合常識人といい、ノーマルな気がする。
若年から盛り場で過ごしていたから、その手の知識もあるし、いろいろ経験済みだとは思うけれど、それが自分に合っているかというのはまた別問題。
むしろ、私の書くコレットの方が変な性癖を持っています(笑)。
コレットの場合はあまりその手のことに知識もないし、17歳で女王になって親しく話すのはレイチェルくらいでしょう。
だから、性的なことって案外わからないんじゃないかと。
基本的にノーマルだとは思うけれど、案外変な性癖持ってそうな気もする(笑)。
私のコレットは初恋アリオスで、紆余曲折あっても彼と結ばれてしまったがゆえに、彼しか知らずにいるのだから、それが当然とか思っていそう。
それがアブノーマル思考だったとしても、アリオスは別にそんな性癖あってもいいんじゃねえの、くらいには思っていそうだし。
どうでもいい話2。
私は嫉妬するアリオスが書けない。
エリスやエンジュに嫉妬するコレットは書けるの。
経験ない女の子が不安になるのはよくわかるし、彼がエリスを深く愛していたのはコレットも承知なわけだし。
エンジュにしたら、自分は聖殿から一歩も出られない立場なのに、彼女は好きなときに、好きな人と会うことができる。
そんな自由な立場にも嫉妬して。
でも、私のアリオスがコレットに妬かない。
守護聖に妬くっていうのもあるかもしれないけれど、私自身が守護聖と女王というものについて、結構身分差というか、見えない壁みたいなのがあると思っている。
十二国記でいうなら王と麒麟、ファイブスター物語ならマスターとファティマ。そこに愛情が芽生える場合もあるけれど、ほとんどがそうじゃない。
あくまで恋愛としての成り立っていない。
まして、あなただけを選ぶと言った彼女が他に浮気するとも思えないし。そういうことをしっかり把握してそうだな、アリオス。
だから、書きたいテーマではあるけれど、なかなかこれは書けないのです。
ツイコレ妄想録
我が家で友達ふたりととツイコレ見たんだよ。
ふたりともアンジェリーク経験者だけど、すっかり耄碌ではなく、ほとんど忘れている人たちなんだけど、無理矢理見せたんだ(笑)。
とにかく、「古いアニメ」というのが第一印象だったみたい。
「顎が…」というのはあったけれど、どうやら「表現が古い」。
花が舞い散るのが不自然極まりなく、『花の子ルンルン』発言まで飛び出す始末で(笑)。
しかも、花の子ルンルンと違って、ツイコレの花に意味はない。
今どきのアニメを知らないからか、私自身は、表現も絵柄も耐えられるんだ。
(今更『銀河旋風ブライガー』をおもしろいと見れるレヴェルなので。)
次に出たのが、キャラクターの組み合わせが謎すぎる、と。
これは発売当初から言われていたよね。私も謎だ。
セイランなんて絡まないキャラが絡んでいるのが変!とか。本当にそう思うよ。
そして、個人的に繰り返す脚本のダメさ。友達も特に1巻目のダメさを何度も強調してましたっけ。
久し振りにオタクトークできるのでハッスルしてたんですが(笑)、ふたりの見ているところと私の視点が決定的に違うのが、隠喩の表現だった。
白い羽=ヒロイン(天使)というのは、間違いなく重視して作り手が用いているんだけど、友達は割とスルーだったな。
天レクの金の目=レヴィアス、緑の目=アリオスの隠喩だろうと言っても、きっとわからなかっただろう。
私はこういうどうでもいいような、細かい象徴とか隠喩とかそういう妄想が好きなの。
アンジェに限らず考察とかキャラ考とか読むの好きだからかもしれない。
で、久し振りにツイコレ見て思ったのが、黒い羽=レヴィアス(アリオス)の表現。
『黒き翼のもとに』という天レク前の小説が公式から発売されているので、これはレヴィアスの象徴として意図的に入れられているんだと思う。
そこで、ツイコレのアリオスの場面だと、彼が見上げた先に白い羽が舞っていて、そこに一枚の黒い羽が落ちてくる。
すると、さっきまで一面銀世界だったものが、真っ黒く染まってしまう。
以前の私はこれを白い羽=コレットで、その力が弱まった象徴として、黒い羽だと思っていたのね。
でも、黒い羽=レヴィアスだとすると、彼と交わることでコレットの白い羽が穢されてしまう。→だから、共にいられない。と思えるようになっていた。
なので、その後、メル・ルヴァ・クラヴィスに「コレットが危ない」の発言にあんなにも動揺したんじゃないだろうか。
その方が、わかりやすいよね。
どうでもいいが、ルヴァが淹れてくれたお茶をアリオスに手渡すシーンで、たまたまそのコップに花びらが一枚落ちてくるんだけど、友達が「ルヴァ様、ゴミ入ってますよ」で吹いた。…確かにな。
ま、私は花びら=コレットだと思っているけどね。