女王の恋
私が女王でも恋ができるという発想を知ったのは、ある方の同人誌でした。
まだSP2発売前後のこと。
リモージュが大好きな方が「ヒロインが変わってショック?って聞かれるけど、私は平気。だって、女王陛下と秘密の恋♪」と書いてあって、目から鱗!でした。
私としては、その後リモージュよりコレットに堕ちてしまったし、エトワール前に離脱してしまったので、コレット女王で恋ということにはならなかったのね。
(何度も繰り返すけれど、天レク以降コレットは名目は女王だけど、トロワまでは女王扱いされていない。)
あのときは、女王でも恋してOK!だと信じて疑わなかったけれど、再燃してから考えは変わった。
女王は恋してもOKだけど、守護聖とは必ず破局する、となっている。
前にも書いたけれど、アンジェリークの世界観では、結ばれた恋はずっと続く、となっている。自然消滅ということがないんだよね。
なら、サクリアが減少した女王と守護聖は退位しなくてはならないので、ここで永遠の別れがやって来る。
それでもいいなら恋してもいい。でも、絶対破局するとなってしまう。
守護聖ならびに女王を退位しても、聖地に残ればいいじゃん、という考えもあるんだけど、私はその方向で考えられなくて。
というのも、ちょっと横道にそれて、守護聖と女王は退位する時期が決まっているんだけど、補佐官と聖天使(+アリオス)は?となる。
補佐官はディアが女王と一緒に退位してるから、絶対でなくても慣例として、女王と共に退位するような気もする。
けれど、サクリアという縛りのない聖天使は、エンジュが下界へ降りたいと考えるまでいられる可能性がある。
となれば、女王の代替わりが幾度もあっても、彼女だけ残った場合、それはちょっと怖いことなんじゃないかな?
あれだけジュリアスとクラヴィスが特別視されているのは、権力が強いわけではないけれど、聖地に長くいるという理由が大きい。
なら、エンジュだって古参の人間となり、女王や守護聖より意見が通りやすい環境下になったとしたら、宇宙はエンジュの思うようになる可能性が否定できない。
当然、エンジュはそんなことをしないし、彼女の気持ちは前向きで、いい人なのはわかっていても、いいことがそのままいい方向に進むとは限らない。
アンジェリークってそういう世界観でしょう。守護聖という絶対的な存在だけど、どうしても負の感情を鬱積させて暗黒の力を得てしまうのだから。
つまり、退位した女王や守護聖がそのまま聖地に残った場合、そういう弊害が出る可能性がある。
いくら非営利団体だったとしても、下界に降りたら権力なんてないに等しいものだったとしても、絶大的な力を持って、宇宙の頂点にいる意味は大きい。
それが、与える影響も大きい。
女王・守護聖なら絶対的に終わる時期があるけれど、それが見えない場合は永遠に近い時間を己のままに操ることさえできるのだ。
だから、個人的な設定では、守護聖が退位するなら、守護聖補佐以下すべて代替わりというのを原則としています。
性善説に基づく聖地だけど、やっぱり不正腐敗を未然に防ぐということは大切なことだと思っているから。
ゲームの設定でも、元から『聖地に来ること=自分の周囲を犠牲』にしてきたという概念が強すぎて、終わったらさっさと聖地から去るとだけで、聖地に残るということへの考えが、すっぽり抜けていたんだと思う。
なので、女王と守護聖は破局前提になるなら、クラヴィスと255代目女王との失恋もわかるんだよね。
女王としての決意だけでなく、もっと好きになると辛くなるから、その前に綺麗に別れたい。
そういう女性としての危機感があったとしたら、クラヴィスを振る意味が深まるように思うのだが。
愛してるから結ばれるのではなく、愛してるから綺麗な想い出で。
そういう幾重にも人間的な感情を踏みにじる聖地。神聖な場所でありながらのパラドックス。
これそこ暗い影が除くアンジェリークの世界観って気がする。